第六十四回江戸川乱歩賞 斉藤詠一氏「到達不能極」

 本年度江戸川乱歩賞は、一月末の締切までに応募総数三四八編が集まり、予選委員(香山二三郎、川出正樹、末國善己、千街晶之、羽住典子、三橋暁、吉野仁)による選考が去る四月二十六日(木)午後五時より、講談社会議室で行われ、最終的に下記の候補作四編が選出された。

〈候補作〉
「魔境の墓掘人」碧井 行隆
「あかね町の隣人」倉井 眉介
「狩人たちの原罪」寺田 剛
「到達不能極」齋藤 詠月

 この四編を六月七日(木)午後四時より帝国ホテルにおいて、選考委員の池井戸潤、今野敏、辻村深月、貫井徳郎、湊かなえの五氏による協議の結果、齋藤詠月氏の「到達不能極」を本年度の江戸川乱歩賞と決定した。授賞式は九月二十八日(金)午後六時より帝国ホテルにて行われる。
 なお、斉藤氏は応募時、齋藤詠月の筆名であったが、受賞決定後に筆名を変更された。

略歴
一九七三年東京都生まれ。千葉大学理学部物理学科卒業。
現在、神奈川県在住。二〇一八年、本作で第六十四回江戸川乱歩賞を受賞する。