一般社団法人日本推理作家協会

元代表理事 京極夏彦の言葉

 アクセスいただき、ありがとうございます。
 日本推理作家協会は、小説家・評論家・翻訳家・イラストレーター・装幀家・漫画家などの個人会員と、出版社を中心にした賛助会員で構成される、一般社団法人です。
 前身となる団体は1947年に江戸川乱歩を初代会長として結成された「探偵作家クラブ」で、1963年に社団法人化、名称を「日本推理作家協会」と改め現在に至っております。
 団体名にある「推理作家」は旧名称にある「探偵作家」を継承して付けられたものであり、これは今でいう「ミステリ作家」と同義と捉えられるものです。ただし現在の日本推理作家協会は、ミステリに限らず、主にエンターティンメント文芸出版全般に関わる者の職能集団として位置付けられるものです。
 結成以来70年以上、日本推理作家協会は会員同士の交流・親睦を深めるというだけにとどまらず、ミステリ/エンタテインメント文芸を中核とする出版文化の発展と普及に努めることを眼目に置いた文芸団体たろうと努力してまいりました。探偵作家クラブ時代から引き続き主催しております「日本推理作家協会賞」は、年に一度、厳正なる選考により優秀な長編小説・短編小説・評論を選び、表彰するものです。1954年江戸川乱歩の寄付金を基金とし探偵小説の奨励のために制定された「江戸川乱歩賞」は、現在では伝統ある新人の登竜門となり、数多くのエンタテインメント作家を世に送り出しております。協会編纂のアンソロジーを始めとした出版企画、イベント・トークショーなどの企画も随時行っております。
 また、当会は賛助会員を含めた会員が情報を共有できる場でもあります。そうした利点をできる限り活かし、問題点を摘出し、切磋琢磨し、今後も時代に見合ったより良い創作・出版のスタイルを模索していく所存です。優れた文芸作品を一冊でも多く、最良の形で世に出し、読者の皆様に喜んでいただくことこそが、当会の目指すところだからです。
 何卒、温かいご理解とご支援をお寄せくださいますよう、よろしくお願い申し上げます。