一般社団法人日本推理作家協会

日本探偵作家クラブの活動

 日本探偵作家クラブの主な活動は、土曜会の開催と探偵作家クラブ会報の発行(いずれも月一回)、および、日本探偵作家クラブ賞の授賞と日本探偵小説年鑑(アンソロジー)の編纂(いずれも年一回)であった。その他に、「物故探偵作家慰霊祭・講演と探偵劇の会」(四七年十月二十一日)、「ポー百年記念講演会」(四九年十月十一日)、「探偵作家クラブ五周年記念祭」(五二年十一月二十八日)、「黒岩涙香三十三周年記念祭」(五四年四月十五日)、「江戸川乱歩還暦祝賀会」(五四年十月三十日)などが、クラブの主催によって開催されている。
 探偵作家クラブ会報は、通常八ページの小冊子として毎月発行された。編集担当は、渡辺健治、高木彬光、水谷準、島田一男、椿八郎、朝山蜻一、大河内常平、千代有三、中島河太郎、佐野洋、新章文子、山村正夫の各氏で、クラブの改組と共に、日本推理作家協会会報に引き継がれた。なお、探偵作家クラブ時代の会報は、九一年に柏書房から復刻版が刊行され、第一八五号までのすべてが四冊にまとめられている。
 探偵小説年鑑は年度別代表作アンソロジーで、四八年版から五五年版までが岩谷書店、五六年版から六二年版までが宝石社、六三年版から六六年版までが東都書房から、それぞれ刊行された。六七年版以降は、現在まで、すべて講談社から刊行されている。カバーのタイトル(「探偵小説傑作選」や「推理小説ベスト○○」)と本体のタイトル(「探偵小説年鑑」)が違っていたり、初期においては年号までずれていたりといった不具合はあるものの、推理小説界の流れをこれだけ長期にわたって追ってきた出版物は、他に類を見ない。各巻の巻末には年度総括を始めとしたさまざまなデータも掲載されており、特に初期の八冊に附されたものは、きわめて資料性が高い。

四八年版「邦訳欧米探偵小説目録」古沢仁編
四九年版「日本探偵小説史」中島河太郎編
五〇年版「日本探偵小説総目録」中島河太郎編
五一年版「翻訳短篇探偵小説目録」江戸川乱歩編
五二年版「日本探偵小説著書目録」中島河太郎編
五三年版「探偵小説研究評論目録」中島河太郎編
五四年版「世界探偵小説年表」中島河太郎編
五五年版「続日本探偵小説総目録」中島河太郎編

江戸川乱歩賞の制定