ハガキ随想

古い奴の妄言

長谷川卓也

 高倉健の兄貴格だった鶴田浩二式に申せば、古い奴だといわれるでしょうが、私はFAX、PC、Kタイなど文明の利器を不所持、なのは不要だから。原稿も賀状(たった100枚)も手書きである。
 昨秋、かつて勤めていた新聞社のOB会で「長寿のコツをしゃべれ」といわれた。仮死状態で生まれ、虚弱児童だったし、運動嫌いで補助食品敬遠の当方に、そんなものなし。しいていえば重喫煙を30年前にやめたことや抗ガン剤を拒否したことぐらいか。
 あ、そうだ、極私的通信を友人たちに配って200号を越えるが、これが脳みそへの刺激になっていることも、もしかしたら、とっくに健康平均寿命を越えられた一因か。書き忘れたが、食事情最悪のひとり暮らしが既に15年である。
 今秋、卒寿を迎えます。