ソフトボール

ソフトボール最終戦&シーズン回顧

西上心太

 雨に崇られたシーズンでした。四月の開幕戦は無事に行われたものの、いちばんソフトボールにいい季節である五月、六月と連続して雨天中止。七月もなんやかやでやらなかったので、九月末の合宿までが長かったなあ。
 というわけなので十月のソフトボールが定例会としては今期二度目。やっとできたね、という皆の声、これで今季は終わりだね、という一部編集者の声……。何言ってんの、十一月もやるに決まってんじゃない、という逢坂さんの声。
 ということで十一月十七日(月)午後一時より曇り空の下、最近のホームグラウンドとなった青山運動場野球場にて、今季本当に最後のソフトボールが行われました。
 第一試合はミステリーズの先攻。小沢章友監督のヒット、逢坂剛さんがエラーで出塁(臨時代走・庄村敦子さん)。そのチャンスにスイッチヒッターに挑戦中の伊東潤さんが左打席からライト線にツーベースを放ち一点先制。
 一方エディターズは吉野仁投手の前に、ランナーを出しこそすれ二回まで無得点。しかしミ軍がスミ一を続ける三回の裏に高田暁郎氏/徳間書店のヒットを皮切りに、空手有段者のパワーを誇る運天那美氏/角川春樹事務所、快足園原行貴氏/光文社、三冠王鶴田大悟氏/徳間書店の四連打等で、一挙四点を挙げ逆転。
 しかしミ軍は四回表に三点を返し反撃開始。すかさずその裏、またもエ軍は四点奪取。五回表にミ軍が二点を返したものの二点差で最終回へ。
 ところがここでドラマが待っていました。疲れの見える山田裕樹投手/集英社《翌日は定年》から、押っ取り刀で登場した河野治彦さんのヒットを皮切りに九連打で一挙八点を奪い、逆に六点という大量リードを奪ったのでした。
 だがしかし、と逆接の接続詞ばかり続く下手な文章の見本そのものですが、エ軍も怒濤の反撃。エラー、レフトフライ、エラー、エラーでワンナウト満塁。山田氏のヒットでまず一点。唐川知里氏/徳間書店こそ三振(ただし別の打席で初打点をあげたと自己申告。そうだったかな)でツーアウトにこぎつけたものの、なんとフルスイング高田氏が満塁ホームラン。一点差に詰めやられて冷や汗をかきましたが、運天氏が投ゴロに倒れゲームセット。ミ軍薄氷の勝利でした。
 小休止をはさみ先後を入替えて二試合目が始まります。ここで伊多波碧さん登場。わがチームの指名打者に入ります。エ軍は初参加試合で外野フライを追いかけて転倒、鎖骨を骨折し、ボルト入の身体になったものの、つい先日ボルトを取って、ようやく金属探知機に引っかからなくなりヒコーキに乗れるようになった松下陵氏/講談社が初登板初先発。
 一回の裏、ランナー一人を置いて逢坂さんが右中間に抜けようかというあたりをセカンド後方付近に網を張っていた村山昌子監督/徳間書店が好捕するというファインプレーがありました。
 それにしてもエ軍は初参加で硬式野球経験者の野間裕樹氏/徳間書店(ショート)、スローイングはともかく(笑)、ボール取るのはうまい鶴田氏(サード)、走攻守そろったレフト兼田将成氏/PHP出版という、魔の三角地帯の守備力により、ミ軍はなかなかチャンスを広げられません。四回まで二対二の均衡を保っていたゲームは徐々にエ軍に傾きはじめます。打撃の援護がない青木千恵投手を攻め、五回に三点、六、七回に一点ずつを加え、ついに七対二で最終回を迎えました。
 ところがっ。とまたも逆接の接続詞。吉野さん、阿川大樹さん、八重野充弘さん、伊東さんの四連打、逢坂さん、河野さんの連続四球で三点。期待の小前亮さんはショートフライでワンナウト。小沢さんが押出し四球でついに一点差に。サヨナラのチャンスに立ったのがこの私……だったのが悪かった。左打者シフトでセカンドまで出張してきていた野間氏の好守に阻まれツーアウト。久々に参加した柳蒼二郎さんもサードゴロに倒れ、七対六で今度はエディターズが薄氷の勝利。逆転サヨナラ勝ちのヒーローを夢見ていた西上、柳の二人は深くうなだれ、初登板初勝利が手からすり抜けようとしていた松下投手は歓喜の涙にむせび、最終戦は仲良く一勝一敗で終わりました。
 なお最後の挨拶の際、編集部から営業部に異動したためこれが監督として最後の試合となった村山昌子氏に花束が贈呈されました。長い間ありがとうございました。野球・ソフトボール常識にない、よくわからない指示をベンチから打者に送っていましたが、氏の声が聞こえなくなるのは寂しい、静かでいいか。来季からは一選手としてぜひともご参加下さい。
 そうそう、合宿に初参加して以降、伊東潤夫人の裕美さんもフル参加。テニスで鍛えた速いバットスイングでクリーンヒットを放っており、来季の活躍が期待されます。
 エディターズからは先述した野間氏の存在が来期以降重きを成しそうで戦々恐々。松下氏の復活、集英社の逢坂さん担当で通称小百舌番の田島悠氏も初参加など、新しい顔も増えてなによりです。それから結婚式の前週に日焼け&擦り傷の危険がある合宿に参加するほど無謀かつ熱心だった柳悠美氏/毎日新聞社も久しぶりに参加してくれたのも嬉しい限り。
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 なお、打上げの席で、翌日十八日に定年を迎えるも、嘱託として社に残り編集稼業を続ける山田裕樹氏に、有志から記念品(グラブ)が贈られました。後期高齢者になるまで新しいグラブで頑張ってください……という意味なのか。
 それではまた来季!