第六十二回江戸川乱歩賞 佐藤究氏「QJKJQ」
本年度江戸川乱歩賞は、一月末の締切までに応募総数三三八編が集まり、予選委員(石井千湖、円堂都司昭、川出正樹、末國善己、羽住典子、三橋暁、吉野仁)により最終的に左記の候補作四編が選出された。去る四月五日(火)午後七時より、講談社会議室で行われた。
〈候補作〉
ラリックの天球儀 光月 涼那
QJKJQ 犬胤 究
キャパの遺言 十河 進
「(仮)ヴィラ・アーク□設計趣旨VILLA ARC(tentative)」 家原 英生
この四編を五月十六日(月)午後四時より帝国ホテルにおいて、選考委員の有栖川有栖、池井戸潤、今野敏、辻村深月、湊かなえの五氏による協議の結果、犬胤究氏の「QJKJQ」を本年度の江戸川乱歩賞と決定した。授賞式は九月九日(金)午後六時より帝国ホテルにて行われる。
なお、佐藤氏は応募時、犬胤究の筆名であったが、受賞決定後に筆名を変更された。
受賞者略歴
一九七七年福岡県生まれ。二〇〇四年に佐藤憲胤(のりかず)名義で書いた『サージウスの死神』が第四十七回群像新人文学賞優秀作となりデビュー。二度目の江戸川乱歩賞への挑戦で、受賞となる。