訃報

会員・石川喬司氏

 会員の石川喬司氏が七月九日、肺炎のため亡くなられた。九十二歳。
 石川氏は一九三〇年愛媛県生まれ。五三年東京大学文学部仏文科卒。同年に毎日新聞社に入社し、勤務の傍らSFやミステリーの評論および創作を始め、六二年に処女SF短編「岬の女」を「SFマガジン」に発表。六三年には小松左京、福島正実、星新一らとともに日本SF作家クラブを設立した。
 ミステリー評論集「極楽の鬼」(六六年)が第二十回日本推理作家協会賞候補に。その後、SF評論集「SFの時代」(七七年)で第三十一回日本推理作家協会賞評論その他の部門を受賞した(短編部門でも候補に)。
 他に「魔法つかいの夏」(六八年)、「アリスの不思議な旅」(七四年)など。
 また、競馬評論家としても活躍し、テレビの競馬番組にも出演した。「走れホース紳士」(七四年)などの競馬小説、競馬に関する著作を纏めた「石川喬司競馬全集」全三巻(九二~九三年)などがある。
 「世界SF全集」日本のSF(短篇集)古典篇、同現代篇(福島正実共編)、「世界ミステリ全集」37の短篇など、多くのアンソロジーの編者も務めている。
 江戸川乱歩賞では、第十二回と第十三回、第十八回から第二十回の計五期で予選委員を、第三十二回と第三十三回では選考委員を務めた。