名誉会員・高橋泰邦氏死去
名誉会員の高橋泰邦氏が、二月十二日に虚血性心不全のため亡くなられた。八十九歳。高橋氏は一九二五年(大正十四年)東京生まれ。早稲田大学理工学部中退。五十一年にNHK芸術祭参加懸賞放送劇佳作入選、五十四年に講談社100万円懸賞小説佳作入選する。その後、翻訳活動を経て、五十九年に別冊クイーンズマガジン掲載の「殉職」により作家デビューを果たす。
父親が外国航路の船長で、自身も船乗りを目指していたこともあり、「衝突進路」(六十一年)、「賭けられた船」「黒潮の偽証」(六十三年)など、海洋ミステリーを多く手がけた。「偽りの晴れ間」と「軍艦泥棒」の二作が、それぞれ第二十四回、第二十五回の日本推理作家協会賞候補作となった(両年とも受賞作無し)。
並行して翻訳家としても活躍し、エド・マクベイン「ハートの刺青」、アントニー・バークリー「毒入りチョコレート事件」、アイラ・レヴィン「ローズマリーの赤ちゃん」など、八十冊以上の訳書がある。中でもセシル・スコット・フォレスターの「ホーンブロワー」シリーズや、アレクザンダー・ケントの「ボライソー」シリーズなど、海洋冒険小説の翻訳がよく知られている。
協会より香典を呈して弔意を表した。
父親が外国航路の船長で、自身も船乗りを目指していたこともあり、「衝突進路」(六十一年)、「賭けられた船」「黒潮の偽証」(六十三年)など、海洋ミステリーを多く手がけた。「偽りの晴れ間」と「軍艦泥棒」の二作が、それぞれ第二十四回、第二十五回の日本推理作家協会賞候補作となった(両年とも受賞作無し)。
並行して翻訳家としても活躍し、エド・マクベイン「ハートの刺青」、アントニー・バークリー「毒入りチョコレート事件」、アイラ・レヴィン「ローズマリーの赤ちゃん」など、八十冊以上の訳書がある。中でもセシル・スコット・フォレスターの「ホーンブロワー」シリーズや、アレクザンダー・ケントの「ボライソー」シリーズなど、海洋冒険小説の翻訳がよく知られている。
協会より香典を呈して弔意を表した。