訃報

会員・飛鳥高氏

 会員の飛鳥高氏(本名・烏田専右)が二月五日に亡くなられた。百歳。飛鳥氏は一九二一年山口県生まれ。東京帝国大学工学部卒業。六〇年に清水建設に入社し、技術研究所長や技術本部長を歴任。工学博士、一級建築士。四六年に「宝石」短編懸賞に応募した「犯罪の場」が入選し翌年一月号に掲載されデビュー。第三回江戸川乱歩賞最終候補作「背徳の街」を改題した初長編「疑惑の夜」を五八年に刊行。翌年の「死を運ぶトラック」とともに映画化もされた。六一年の「細い赤い糸」で第十五回日本探偵クラブ賞を受賞した。
 本業多忙のため、六〇年代前半で作品は途絶えたが、九〇年に長編「青いリボンの誘惑」を上梓した。近年、旧作の復刊が続いている。