入会のご挨拶
初めまして。くわがきあゆと申します。このたび貴協会に入会させていただくことになりました。
推薦人を引き受けてくださった西上心太さま、千街晶之さまには、この場を借りて厚く御礼申し上げます。
入会のご挨拶として、私の経歴をお話ししようと思います。
私が作家になりたいと思ったのは小学3年生の頃です。ミステリーとの出会いは小学5年生の頃、少年探偵江戸川乱歩全集(全46巻の方)の『透明怪人』でした。大学を卒業した頃より本格的な投稿生活を始めました。
初めて新人賞の最終候補に残ったのは25歳の時です。
最終候補作は3作で、私のものを除いた2作が受賞しました。落選する確率の方が低かったので、珍しいように見えます。しかし、受賞者のお二人は現在、著名な人気作家さんでいらっしゃいます。今にして思うと、初めから勝てる見込みのない戦いだったのです。
それからおよそ10年ほど、落選し続けました。
ちなみにこの間、執筆や投稿を中断したことはありません。本当に、ずっと選考を通過しなかったのです。
2021年、第8回「暮らしの小説大賞」をいただきました。とてもうれしかったのですが、コロナ禍の影響で、正式な授賞式は流れてしまいました。
2022年、第21回『このミステリーがすごい!』大賞の文庫グランプリをいただきました。とてもうれしかったのですが、コロナ禍の影響で、授賞式は流れてしまいました。
2024年1月、改めてこのミスの授賞式が行われることになりました。日帰りの予定で喜んで東京に出かけました。
すると、帰りの新幹線で原因不明の停電が起こりました。静岡での長時間の停車を経て、帰宅したのは午前1時半でした。
同年11月、BUN-1グランプリをいただきました。こちらの授賞式では版元さんがホテルをとってくださり、東京で一泊しました。
翌日、ゆっくりしてから帰ろうかとも思ったのですが、念のため午前中に帰宅することにしました。しかし、手遅れでした。東京駅は人で溢れかえっていました。大雨の影響で新幹線が運休し……(以下略)。
私の経歴はこのようなものです。
ミステリー作家という響きから想像される華々しさからはほど遠い暮らしを送る私が、貴協会に入会できたのは望外の喜びです。
どうぞこれからよろしくお願いいたします。