入会のご挨拶
はじめまして、別所燈と申します。
このたび日本推理作家協会に入会させていただきまして、感謝しております。
推薦人となっていただきました佐藤青南先生、和泉桂先生ありがとうございます。
また迅速かつとてもご親切に対応してくださった事務局の方々に感謝申し上げます。
私は異世界ファンタジーを書いているので、ご承認いただけるかドキドキしながら待っておりました。
ご連絡をいただい時には「やったー!」と飛びあって喜びました。
デビューは2021年で、第5回アイリスNEOファンタジー大賞銀賞の受賞作でした。当時は一生に一度の記念の一冊と思っていましたが、何とかここまで書くお仕事を続けられて本人が一番びっくりしています。出版するにあたってご協力いただいた方には感謝しかありません。
実は以前から日本推理作家協会に入りたいなと憧れを抱いていました。しかし、小心者なのでなかなか申し込みできませんでした。
今回、勇気を出してよかったと思っています。
直近で読んだ本は御子柴礼司シリーズ、作家刑事毒島シリーズです。すずらん通りのてんぷら屋の2階を探しに行ってしまうほどのファンです。とはいえ聖地巡りであって、ストーカーではないので安心してください。
その他に聖地巡りをいろいろとしており印象に残ったのはイギリスのカンタベリーです。とても素敵で素朴な街でした。巡礼の旅の巡礼です。
初めて読んだコバルトは『星を行く船』、太一郎さんが大好きでした。とにかくかっこいいのです。
子供の頃から本が好きで図書館によく通っていましたが、児童書コーナーには近寄れませんでした。なぜならとても小さな子供たちの遊び場になっていて、本が選べる状態ではなかったからです。
かといって図書館にはライトノベルも置いてありませんでした。
自然と大人が読む文学全集の方に行くようになり、手に取ったのが『罪と罰』です。小学生ですから、文学の知識など何もありません。ただ興味を惹かれて手に取っただけなのに、ラスコーリニコフの殺害場面がトラウマになった覚えがあります。その時、小説は匂いや感触まであるものなのだと実感しました。
次に衝撃を受けたのはこれも小学生の時に読んだ『嵐が丘』です。どう衝撃を受けたのかというと、数年にわたり少女漫画が読めなくなりました。愛と復讐は命がけということでしょうか。
それから『沈黙』を読み、宗教も命がけなのだなと見事に刷り込まれました。ステンドグラスが荘厳な教会やミサにあこがれもありましたが、生半可な気持ちで近づいてはいけないと痛感した覚えがあります。その後、『白い人・黄色い人』『海と毒薬』と読み進み、『月光のドミナ』で再び衝撃をうけ文学全集を取る手がとまりました。
そういえば『春琴抄』のとある描写を思い出すといまだに目を守るように手でふさぎたくなります。
その後、推理小説やSFを読むようになりました。
アガサ・クリスティーはポワロもミス・マープルも好きです。『ねじれた家』を読んだとき、もうすでにこういう犯人を書いている作家がいるのだから、推理小説を書くのって大変なのだなと思いました。
このように読書歴らしきものをつらつら書き綴っていますが、アニメもドラマも漫画も映画もゲームも知らない街を歩くのも寺社巡りも大好きです。ここ数年は怪談が好きで、怪談師の怪談を聞きながら、眠る夜も多々あります。
1日は24時間しかなくて、1週間はどうして7日しかないのかと思うほど楽しみがたくさんあって時間が足りません。
そのせいではないのですが、今小説を書いていて、初めて筆が止まりました。プロットの段階では転がるはずだった話が、ピクリとも動かないのです。
なぜなら動いた瞬間、あっけなく終末を迎えてしまうからです。
いつもは文字数が超過しがちで困っているのに、今回はどういうわけか止まりました。書き始めてまだ4年目ですが、こういうこともあるのだなとつらい経験をかみしめています。
パソコンのワード画面の白さがこんなに目にしみたのははじめです。この画面、暖色にできないでしょうか。
いつもは映像がぽんと浮かんでくるのですが、今は白い世界に漂うばかり。
それこそ、某有名アニメの「動け、動け、動いてよ(以下略)」のセリフが頭の中をループしている状態で、そろそろ「笑えばいいと思うよ」と言い始めそうです。
買い物の途中、歩いている時、すっと浮かんでくるものが、指先をかすめてすり抜けていくような感覚で、どうしたものかと途方に暮れています。
今は仕事で書いていますが、趣味で書いていた時もこんなことがあったなと思い出しました。
決まって凄く面白い作品を読んだ後で、まったく書く気が起きなくなるのです。
その本の世界にただひたすら浸っていたい、そんな気持ちになります。
デビュー前は趣味だったので、ただ単に書く気が起きないで済んでいたので、何の問題もありませんでした。
でも今は問題ありありです。
直近で読んだ本は先ほど書きましたね。
もちろん素晴らしい本のせいではありません。自分のせいです。
きっとできる、必ず書けると自分を励ましながら、頑張ろうと思います。
未熟者ですが、日々精進していく覚悟で入会を申し込みました。
承認くださり感謝しております。
何卒よろしくお願いいたします。