名誉会員・松本孝氏
名誉会員の松本孝氏が十一月二十七日に亡くなられた。八十四歳。松本氏は一九三二年東京の神楽坂生まれ。早稲田大学第一文学部フランス文学科卒業。ルポライターとして週刊新潮の「黒い報告書」を担当した。一九六〇年 「顔のない情事」(「週刊新潮」特別読切り)で作家デビュー。「夜の顔ぶれ」が一九六一年の第四十五回直木賞候補となる。現代風俗を題材にした官能ハードボイルドや企業がらみの犯罪小説、官能小説などを発表してきた。
主な著作に「黒い報告書」(六一年)、「夜の顔ぶれ」(六三年)、新宿ふうてんブルース」(六八年)。「スキャンダル狩り」(八七年)、妻の松本佳子との共著「美ヶ原高原殺人事件」(八九年)などがある。
なお、香典は辞退するとのご遺族のお申し出があった。