ソフトボール

ソフトボール大会報告

PHP研究所 兼田将成

 神宮外苑軟式野球場の桜グラウンドのライト後方に目を向けると、自らの顔を蹴らんばかりに左足を高々と上げ、剛速球を投げ込む人が!?
 わ、和製ライアンこと、ヤクルトの新人・小川投手ではないか!
 と試合前よそ見をしていた五月二十四日。節目の第六○回ソフトボール大会が、晴天の中はじまった。
 一試合目、エディターズ先発は、先の小川投手と同じく、左足を高々と胸まで引き上げて力強く投げる山田投手(集英社)。初回、ミステリーズは小沢選手、逢坂選手が鮮やかな連打で出塁する。エラーを挟んで西上選手にライト前へうまく運ばれ、4点を先制される。その裏エディターズは2点を返すが、二回表、あっさり2点取り返されてしまう。中盤持ち直した山田投手は、ミステリーズの攻撃を1点で凌ぎ、そろそろ追い上げたいエディターズ。ところが試合前の打撃練習で、強烈なピッチャー返しを体に受けたにもかかわらず、精密機械のようにコーナーをつく吉野投手から点が奪えない。7対4とミステリーズ3点リードのまま終盤へ。
 桜グラウンドのライト後方では、ヤクルトの選手と入れ替わって、ソフトバンク(以下、SBH)の選手が準備運動を開始。
 六回表の先頭打者、西上選手の放った弾丸ライナーは、そのSBH選手に届くかと思える大飛球。これをエディターズ小林選手(講談社)がジャンプ一番、ナイス・キャッチ! 間近で見ていたSBHの選手たちからヤンヤの大喝采を浴びる。このプレイで流れが変わったのか、六回裏エディターズは、いつもフルスイング高田選手(徳間書店)のタイムリーなどで1点差に詰めより、最終回ミステリーズの攻撃を無失点でおさえ裏の攻撃へ。萩原選手(光文社)がヒットで出塁。無死二、三塁となって武田選手(文藝春秋)の犠牲フライでついに同点。最後は、新戦力阿倍選手(実業之日本社)の二遊間を破る安打でサヨナラ、サヨナラ♪(淀川長治調に)。エディターズ7対8の劇的勝利に終わった。
 二試合目。先攻エディターズの攻撃は三者凡退。裏のミステリーズの攻撃、先頭の小前選手が快足を飛ばして二塁打。小沢選手も安打で先制の好機が訪れる。つづく逢坂選手の放った痛烈なライナーは、一試合目サヨナラ安打の二塁手阿部選手のグラブにすっぽり。一塁に転送されダブルプレイとなり、守備陣は大喜び。だが、その隙を見逃さなかった三塁走者、小前選手がタッチアップのホームイン! ミステリーズが1点を先制する。勢いそのままに、河野選手がレフト前安打で出塁し、打席には左の大砲・西上選手。対するエディターズ守備陣は、センターを右に寄せ、ライト二人という「王シフト」ならぬ、「西上シフト」。しかし西上選手の打球は、そのシフトをあざ笑うかのごとく無人のセンターへ。誰もが抜けたと思った瞬間、レフト山上選手(双葉社)が猛ダッシュで好捕! 沸きかえるエディターズは、二回表から毎回の連打で四回表終わって11対1。このままでは終われないミステリーズ。四回裏、逢坂選手に、まさに"剛打爆発"、左中間への大本塁打が飛び出したが、反撃もそこまで。こんなに暑いなか、こんなに動いたのだから、ビール飲むなら「いまでしょ!」(掲載時にまだ使えるのかな)と、ビアガーデンでの打ち上げのため、ちょっぴり早めに11対2で試合を終え、桜グランドを後にした。
 以上、打ち上げに参加できなかったのが心残りな第六○回ソフトボール大会の報告です。