ソフトボール九月大会対戦記
角川春樹事務所 本橋真由
九月十三日。暦の上では秋といえど、気温は三十三度まで上がり、青山運動場のグラウンドにはぎらぎらとした陽が降り注いでいた。今大会、エディターズは初参加の平井選手をはじめ、二十代の若手も四人揃った。(かくいう私もその中の一人で、前大会から参加いたしました新参者です)準備運動をしていると、エディターズのエース山田選手が肘の負傷のため来られなくなったとの連絡が。暗雲立ち込める中、暑さの極まった午後二時五十分。高らかなプレイボールの声で、試合開始となった。
山田選手に代わってエディターズの投手を努めたのは小林選手。一回の表、ミステリーズの攻撃。打線は絶好調だった。二番打者の朝倉選手がレフトへ放ったスリーベースヒットで、いきなり先制点。その後、安打を重ね、確実にバトンをつないでいき、三点をもぎ取った。
なんとか追いつきたいエディターズは、金森選手のスリーベースヒットをはじめ、二点を返し健闘するが、ミステリーズに一点リードを許す。
二回の表もミステリーズの打線は止まらなかった。一番打者陸選手の安打に続く朝倉選手のツーベースヒットで一点、その後も、逢坂、小沢、小前選手がヒットを続け、計三点を奪う。
六-二で迎えた、二回の裏エディターズの攻撃。一死二三塁で打席に立った山田選手が、ライトへ大きく打球を飛ばし、ツーベースヒット。一気に二点を返す。しかし、その後はうまく得点につなげることが出来ず、ミステリーズの二点リードのまま二回が終わった。
ここで、十五分ほどの休憩をはさんだ。これが転機となったのだろうか、前半の得点の取り合いとは一変し、以後両者一歩も譲らない守備戦となる。
三回表ミステリーズの攻撃。野手の攻守で、二者をサードゴロに打ち取り、続く陸選手のセンターへの打球もすばやい送球でアウトに。エディターズの堅い守備がが光る。
エディターズの攻撃も、ミステリーズ野手の見事な連携プレイに抑え込まれた。
じりじりと太陽に照りつけられ、湿った熱気が立ち込める。緊迫した空気の中、両チームは隙のない守備をみせ、六-四のまま、ミステリーズのリードで迎えた最終回。ここはなんとか守りきりたいエディターズは、小林投手の丁寧なピッチングと、野手の我慢強い守備で無失点に抑えた。
そして迎えたエディターズ最後の攻撃。停滞した空気がついに打ち破られた。小林選手がショートへヒットを放ち、似田貝選手のツーベースヒットで一点を返す。勢いに乗ったエディターズの打線は止まらず、無死二三塁で打席に立った原選手がレフトへ抜ける安打。二点目を返して同点。さらに続く柳選手がショートへヒットを放ち、ついに逆転し、ゲームセット。張り詰めた守備戦の果に、六-七でエディターズの逆転勝利となった。
ミステリーズもエディターズのメンバーも、猛暑の中最後まで一生懸命にプレイし、そしてお互いの健闘を讃え合った。