気温37℃のソフトボール大会
今回は私の推協ソフトボール同好会のデビュー戦であった。
だが、記念すべき本来のデビュー戦は大雨で流れてしまい、それから一月後の大会は、気温37℃の本年度最高気温の中で開催されることとなる。
前日に雨の予報であったため、ギリギリまで開催が危ぶまれていたのだが、昼になる頃にはもう文句のつけようもないくらいの快晴であり、エアコンの利いた仕事場から一歩外に出ると洒落にならない太陽光の照りつけにドン引きしてしまうほどであった。 会場である青山運動場につくと、なによりも、まず暑い。次に暑い。さらに言うともっと暑い。以上である。
とにかく暑かった。スコアブックにも「猛暑!」とエクスクラメーションマーク付きの殴り書きがされているほどなのだ。
正直、父親のソフトボールチームの練習に事前に何度か参加していなければ、まともに動くこともできなかったであろう。
人生で初めて父親に感謝した。おかげで予想よりも動けたし、少しはチームの役に立てたのではないかと思っている。懇親会で飲んだ大量のビールのせいで、思いついたはずの感謝の言葉をさっぱり忘れてしまったのが残念ではあるが。
さて、私が所属するミステリーズと対戦相手のエディターズは、長年抗争を繰り広げてきた、血で血を洗う関係の不倶戴天の宿敵だということで(そう聞かされていた)、きっと殺伐とした大会なのだろうなあと想像をしていたが、そんなことはない和気藹々とした雰囲気でリラックスしたまま試合に入れたのは大変良かったと思う。だが、やはりというか、敵チームよりも猛暑の方がはるかに強敵であった。
なにしろ、一イニング終了するたびに5分は休憩しないとまともにグラウンドに立っていられないのである。
これより酷い夏の甲子園は灼熱の地獄に違いないと確信できた。
もっとも、ミステリーズは先攻なので守備をした直後に休憩が挟まるため、攻撃時にはある程度落ち着けて打席に向かえるというのは、かなり有利な状況であった。塁間全速ダッシュを何本もしたあとの外野守備に比べてどちらがマシかと言われたら、なんとも答えかねるのではあるが。
ミステリーズでトップバッターと投手を務める逢坂選手はなんと御年81歳という、私の父親と同い年であるにもかかわらず、タフに酷暑のグラウンドに立ち続ける。よく考えれば、野球とソフトボールを両方やっているうちの父親も大概なのだが、とにかく先達というのは偉いものであるというほかはない。
むしろ、回が進むにつれ、若手の方が集中を乱していくというのがとても面白かった。
実のところ、レフトを守っていた私は外野フライを二つもエラーするという大失態を演じていたのだが、後半になるにつれてエディターズ側にもミスが増え、自分のしくじりがあまり目立つことなく終わってくれて胸をなでおろしたものである。
ミステリーズは初回裏立ち上がりのエディターズ連打による3失点が致命的に響いてしまい、なかなか点数で追いつくことができない。
最終回はイイ感じに出塁できていたので逆転のチャンスもあったのだが、トスバッティング練習ではいい当たりをみせていた延沢選手が打ち取られてしまい試合終了。七回表3―5で試合終了してしまったのがとても残念であった。
しかも、普段であれば二試合あるところ時間が足りずに一試合のみとなりリベンジの機会も与えられず。
それでも猛暑の中、久しぶりに駆け回ったグラウンドの感触は大変心地よいものであったと思う。