訃報

会員・松坂健氏

 会員の松坂健氏が、十月八日に膵臓癌のため亡くなられた。七十二歳。松坂氏は一九四九年東京都台東区生まれ。慶應義塾大学法学部・文学部卒。慶應義塾推理小説同好会に所属し、在学中から「ミステリマガジン」などでミステリー評論や書評の寄稿を始めた。
 卒業後は柴田書店に入社し、「月刊ホテル旅館」編集長などを歴任。退社後は西武文理大学、長崎国際大学、跡見学園女子大学で教授などを務め、観光学、宿泊業論、外食産業論などの教鞭を執った。
 妻の松坂晴恵が主宰するミステリー専門劇団「劇団フーダニット」のスタッフとしても活躍し、辻真先や若竹七海に新作戯曲を依頼し、その上演にも尽力した。
 主な著書に「ペーパーバックス読書学」(深野有名義)、「ホスピタリティ進化論―いまさら「ホスピタリティ」なんて!? 」、「司馬遼太郎全小説徹底ガイド」などがある。
 共著や編著には「ミステリ・ベスト201」、「東西ミステリーベスト100」、「二人がかりで死体をどうぞ 瀬戸川・松坂ミステリ時評集」などがある。そのほかイアン・リビングストン「運命の森」をはじめとするゲームブックの翻訳も手がけている。