訃報

会員・山本文緒氏

 会員の山本文緒(本名・大村暁美)氏が、十月十三日に膵臓癌のため亡くなられた。五十八歳。
 山本氏は一九六二年神奈川県横浜市生まれ。神奈川大学経済学部卒。
 会社員を経て、一九八七年に「プレミアム・プールの日々」が第十回コバルト・ノベル大賞佳作となり、翌年に初の著作「きらきら星をあげよう」を刊行しデビュー。少女向けジュニア小説で人気を博すも、九二年の「パイナップルの彼方に」をきっかけに一般文芸に軸足を移した。
 九九年に「恋愛中毒」で第二十回吉川英治文学新人賞、二〇〇二年には「プラナリア」で第百二十四回直木賞を受賞。二〇年刊行の「自転しながら公転する」で第二十七回島清恋愛文学賞と第十六回中央公論文芸賞を受賞した。