訃報

大谷羊太郎氏

 元会員の大谷羊太郎(本名・一夫)氏が、肺炎のため 二月二十一日に亡くなられた。九十一歳。
 大谷氏は一九三一年大阪生まれ。慶應義塾大学文学部中退。プロミュージシャンから芸能マネージャーに。江戸川乱歩賞へ応募を始め、最終選考に残った「美談の報酬」を改稿改題した「死を選ぶギター」で六八年にデビュー。七〇年には「殺意の演奏」で、念願の第十六回江戸川乱歩賞を受賞した。
 芸能界やミュージシャンの体験を生かした本格ミステリーを始め、トラベルミステリー、時代小説まで、多数の作品を上梓した。
 当協会の代表として、文芸美術国民健康保険組合の理事を、二〇〇一年から一九年まで、およそ十九年間にわたり務めた。