いよいよ二〇一五年シーズンのソフトボール大会も開幕です。
　ところがしょっぱなから、予想外の事態にみまわれました。三月二六日、最近ホームグラウンドとなりつつあった青山運動場野球場が、とつぜんの利用中止。なんと内野付近に陥没したところができたため、というのです。急遽、球場を変更し、神宮外苑へ。
　すこし遅れて午後三時にはじまった第一試合、先発投手はミステリーズはわたし吉野、エディターズ山田選手（集英社）といういつもの先発投手により、いよいよ試合開始。
　先行はミステリーズで、さっそく小沢選手を皮切りに、四番伊東選手、五番河野選手とヒットが続いて二点先取。しかしその裏、エディターズは、園原選手（光文社）、西木選手（文藝春秋）らが出塁したのち、野間選手（徳間書店）による走者一掃の二塁打。たちまち二対二の同点となりました。
　拮抗した試合になるか、と思われたものの、二回にミステリーズ打線が爆発。走者二人を返す小沢選手の二塁打に続き、逢坂選手がホームラン。自身の持つ日本推理作家協会ソフトボール大会最年長ホームラン記録を七十一歳四ヶ月に更新しました。打線は続き、この回一挙に五得点。
　ミステリーズは、その後も三回には、吉野のホームランなどで五点。四回にはトップバッターの小前選手によるホームランを皮切りに伊東、河野、西上の各選手による連打で大量六点。一方のエディターズは、三回に一点、四回に二点返すも及ばず。十八対五という大差がついたため、五回コールドゲームでゲームセットとなりました。
　二〇一五年の開幕第一試合は、ミステリーズの圧倒的な勝利となった次第であります。
　続く第二試合は、一転して白熱のシーソーゲームとなりました。
　初回はエディターズがバント攻撃などで塁を埋めてヒットで返し三点。ミステリーズは小沢選手、河野選手などのヒットで手堅く二点。まずは三対二でエディターズがリード。
　二回、四対二となったところ、その裏のミステリーズは一点返したのち、河野選手の満塁ホームランで逆転を果たしました。四対七。
　一方、エディターズも、三回、萩原選手（光文社）のスリーランにより、あっさり同点とします。これで七対七。
　さらに四回は、エディターズの一得点に対し、ミステリーズは四番伊東選手のヒットにより二得点。八対九でふたたびミステリーズがリードしたのです。
　しかし、勝負の行方は、五回で決まりました。エディターズの打線が爆発します。野間選手のスリーランにつづき、高田選手（徳間書店）のホームランが飛び出すなど、打つべき強打者が確実に結果を出して、あわせて五得点。ミステリーズに四点の差をつけました。
　その裏、逆転をめざし、ミステリーズは八重野選手の三塁打などで三点返すも、あと一点が及びません。第一試合で快勝しながら、第二試合でいささか息切れしてしまい、守備力の衰えなどでアウトをとれず、相手強打者の一撃で大量点を失い、打線もあと一歩ふるわずという、近年ミステリーズが抱える深刻な高齢化問題が今回も出てしまったのでしょうか。
　結局、第二試合は十三対十二でエディターズの勝利。開幕は仲良く一勝一敗という結果となりました。
　グラウンドには魔物が棲んでいるという言葉もありますが、まさかの陥没で球場変更という波乱の幕開けとなったソフトボール大会、これからも名勝負は続きます。