土曜サロン

「全国屈指のプロデビュー率の鈴木輝一郎小説講座はこんなことを教えています」
第二一二回土曜サロン
二〇一六年九月十一日

文責 鈴木輝一郎

 今月の土曜サロンは録画し、推理作家協会の会員のみなさんが視聴できるようにしたので、興味のあるかたは鈴木までメールをください。

 先に鈴木輝一郎小説講座の受賞実績を書いておこう。
 拙講座の開設から八年間で九人がデビューした。鈴木輝一郎小説講座では新人賞に応募したうちの三人に一人が予選を通り、予選通過者の十人に一人がデビューしている。
 二〇一四年受賞一名、予選通過十名。二〇一五年受賞二名、予選通過二三名。二〇一六年八月末現在で、受賞二名、予選通過十二名という具合である。
 講座で力をいれて教えているのは、「中学校卒業程度の国語力をつけよう」「締め切りをまもって書き上げよう」「書かれていないところもきちんとつくろう」「伝えたいことを明確に」の四つである。
 鈴木輝一郎小説講座の方針としては、
「いつでもどこでも学べる」
 を前面に打ち出している。インターネットを使った動画と音声ファイルの配信で、世界中で受講できる。
 現在のところ受講生の三分の一が中部・京阪神、三分の一が首都圏、残り三分の一がその他の地域で、最も遠距離で受講しているのはワシントンDCに在住している。
 鈴木輝一郎小説講座の受講生には特色がある。
 ネット受講が九割を超え、受講生の匿名性を徹底しているので、プロの再挑戦組が多い、ということがある。
 また、在宅受講が可能なこともあり、生活の方途として小説家を選ばざるを得ないケースもけっこうある。本人から申告を受けているだけでも、生活保護・障害者年金受給者四名、障害者手帳の交付を受けている者は十一名。その他、病気療養や介護、育児などで就労時間のめどが立たないために、就労時間がフレキシブルな小説家を選ぶケースも多い。
 上記のような事情もあるのか、鈴木輝一郎小説講座の受講生は他の小説講座にくらべてハングリーな受講生が多いという印象は受ける。
 ハングリーさと作品の質はいまのところあまり関係はない。ただ、ハングリーさがあると、尻を叩かなくても原稿を書きあげるという特徴がある。
 鈴木輝一郎小説講座の今後の課題は、もっかのところふたつ。
 第一として、コンスタントに予選を通せるようになった。だがコンスタントに最終選考まで残す方法がいまのところよくわからないというところである。
 第二は、「落選までたどりつく」のが、実はもっとも難しいことにある。
 おだてて褒めちぎれば最後まで書き上げられるのはわかっているが、そんなことではプロになってから通用しない。悩むところである。

【出席者】蒼井凜花・碧野圭・飯島一次・石井春生・内山安雄・加藤元・竹上晶・蓮見恭子・早見俊・響由布子・水島裕子
【オブザーバー】杉山大二郎・鍋谷伸一・藤代桜