推理作家協会ソフトボール
第77回大会活動報告
KADOKAWA 榊原大祐
5月25日、木曜日、午後1時。朝にかけて降っていた雨も上がり、夏を思わせる晴れ間が見えるなか、記念すべき第77回大会が始まった。
しかし空模様とは裏腹に、我がエディターズには開始早々暗雲が立ちこめる。エース山田(集英社)が右手親指負傷により登板回避、さらに監督川田(文藝春秋)不在のため、代行監督村山(徳間書店)が実に2シーズンぶりの指揮をとることになったのだ。
あっさりと四人で終了した1回表の攻撃の直後、早くも不安は的中する。先発に抜擢された初登板の岡山(KADOKAWA)の制球が定まらず、二者連続のフォアボール。エラーも絡み、早々に3点を献上してしまったのだ。さらに2回には代わった鶴田(徳間書店)が4番坂選手から走者一掃のタイムリースリーベースヒットを浴びるなど、4点を追加されてしまう。吉野選手の技巧的なピッチングの前にほぼ完璧に抑え込まれたエディターズに対し、その後もミステリーズは攻撃の手を緩めず、終わってみれば1―12で5回コールド負け。散々な第1試合となってしまった。
続いての第2試合、テンションのあがらないエディターズだが、ここで遅れてきた「14時からの男」高田(徳間書店)がマウンドにあがる。1回を三者凡退に切って取るとその裏の攻撃で3点を奪取。ヒットを打たれながらも要所を締める高田の熱投に答えるように、田島(集英社)のタイムリースリーベースヒットや、1点差に追い上げられた6回には野間(徳間書店)のホームランも飛び出し、8―6で逃げ切った。
そして運命の第3試合である。所用により伊東選手、坂選手という二枚看板を失ったミステリーズに対し、エディターズは怪我を押してエース山田が登板。俄然盛り上がるエディターズであったが、思うようにボールをコントロールできない山田にミステリーズ打線が襲いかかる。吉野選手のヒットを皮切りに、八重野選手のタイムリー、延澤選手のタイムリーツーベースヒットなどで早々に3点を先制されてしまう。1点差に迫った2回には小前選手のホームランも飛び出し、試合は決まったかに思われた。しかしドラマは最終回に待っていた。野間、似田貝(KADOKAWA)の連打などでランナーを溜めたところで、エディターズ打線が爆発する。本川(文藝春秋)、そして雪辱を期した岡山の連続タイムリー、さらには監督代行村山のタイムリーで一挙5得点。その裏を0点で抑えた山田の激投により、最終スコア7―4での逆転勝利を収めることができたのだ。
第1試合は完敗だったが、第2、第3試合は両チーム共に死力を尽くした好ゲームであった。雨上がりの晴れやかな空が、闘いを終えた戦士たちを明るく照らしだした。