入会のご挨拶
はじめまして。この度、日本推理作家協会へ入会させていただきました藍上イオタと申します。
まずは、入会に際してお力添えいただきました、佐藤青南先生と和泉桂先生にこの場をお借りしてお礼申し上げます。また、ご尽力いただきましたすべての方々に感謝申し上げます。伝統ある日本推理作家協会に入会させていただいたことを、心より光栄に思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
私は、2021年に第2回アイリスNEOファンタジー大賞銀賞受賞作『転生悪役令嬢は推しのハピエンを所望す!』にてデビューいたしました。以降、『私が聖女?いいえ、悪役令嬢です!』『ななしの皇女と冷酷皇帝』『推しの継母になるためならば、喜んで偽装結婚いたします!』シリーズなど、主に女性向け新文芸やライトノベル、コミカライズ原作として執筆活動をしております。
また、2024年11月に自身初の時代小説ミステリー『仕舞屋蘭方医 根古屋冲有 お江戸事件帖 人魚とおはぎ』を刊行いたしました。夢のひとつである推理小説を刊行することができ、喜びもひとしおです。女性向けに限らず、さまざまなお話を書いていけるよう励みたいと思っております。
私は子どものころから読書が好きで、小学校の図書館では江戸川乱歩の少年探偵団シリーズをよく読んでいました。少年探偵団シリーズがずらっと並んだ図書館の本棚を眺めるとき、ワクワクドキドキしたことを今でもはっきりと覚えています。
放課後のひとけが少ない図書室で、窓から聞こえるドッチボールを楽しむ友人の声。明るいそれとは反対に、少し異様な雰囲気を放つ棚。なんとなく選ぶ場面を友達に見られたくないと思っていたのは、ほのかな背徳感があったのでしょう。息を潜めて本を選び、引き出した表紙のおどろおどろしさに震えつつも、胸が高鳴る。そんな読書体験が心にくっきりと刻まれています。
子どもたちの冒険の中に耽美な表現が混じり、こんな世界があるのだと夢中で読みふけっていました。それから、エドガー・アラン・ポーを読むようになり、読書の幅も日本の文学から世界の文学へと広がっていきました。
今でも少し不思議で、少し怖い、それでいて狂おしいほど美しい物語が好きなのは影響を受けてのことだと思います。
そんな憧れである江戸川乱歩に縁の深い日本推理作家協会へ入会でき、とてもうれしく思っております。反面、会員として恥ずかしくないように、今後とも創作に精進していきたいと考えております。
ふつつか者ではありますが、交流会などでお顔を会わせる機会などありましたら、なにとぞよろしくお願いいたします。