ずいひつ

入会のこと

本多正一

 四月号の高田崇史さんの「推理作家協会入会騒動の顛末」を興味深く拝読した。高田さんご入会おめでとうございます。
 ご存じのとおり日本推理作家協会に入会するためにはミステリー関係の賞を受賞すること、あるいは理事一名、会員一名の推薦が必要である。

 ところで、わたしの友人Aが協会に入会を希望したことがある。そこでB理事に推薦理事としての打診を諮ったところ、A入会希望者のミステリ文芸に関与した仕事と、正業の仕事、ふたつながら理事会で認められるかわからないと返答を受けた。この理事自身も、A入会希望者にさまざまな仕事を頼んでいることを承知していたので、意外に思われた。
 B理事なりのお考えがあるのであろう。C理事に推薦を頼んだ。C理事は「そのミステリー関係のお仕事ならなにも問題はないでしょう」との返答で、理事会の審査でも入会を認められた。理事会後、なぜか推薦を断られたB理事から「Aさんの入会はなんの問題もなく認められました」と連絡を受けた。
 理事、会員一名ずつの推薦が必要という規定は日本文藝家協会も同じである。だが、高田さんの文章にも感じられたが、交友関係が限られる入会希望者もいるだろう。理事個人の判断で入会の審査もしてもらえないのは困る。会員の皆さん、理事会で考えていただきたい事案と思い、投稿した。