ソフトボール

猛暑の中の決戦

西上心太

 七月三十一日(火)、台風が去り再び猛暑がぶり返した中、無謀にもソフトボール大会が神宮外苑の軟式野球場で開かれた。さすがに午後四時から六時までと、開始時刻を遅らせ、プレー時間も短縮したのは正しい判断でしょう。
 先行のミステリーズは幸先よく一点を取ったものの、その裏にエディターズ打線が爆発。連打の山を築き一挙六点。こりゃまたコールド負けかと思われたが、二回にはこちらがお返しとばかりに打者一巡の猛攻で八点を取って逆転した。その後は点を取れば取られるという展開で、なんとかリードを保っていたが、五回に四点を取られて逆転され、最終回を迎えることになった。この日、空振りと見逃しで二つの三振を喫するという体たらくで、逢坂氏より、グラム売りで金銭トレードするぞと発破を掛けられた西上が、クリーンヒット。同点タイムリーと思ったら、奥ゆかしい二塁ランナーが各駅停車で三塁に止まっていて得点ならず。後続が断たれて万事休す。惜しくもミステリーズは十四対十三の一点差で敗れてしまったのであった。
 この日のMVPは、初参加の講談社富倉選手でしょう。なにせ隣のグラウンドを横切り、フットサル場との境のフェンスまでボールが転がっていく特大ホームランを打ったのですから。三塁を守っても鉄壁で、ライン際を抜ける当たりにもグラブを差し出し、長打を単打にしてしまう素晴らしいフィールディングもありました。
 一方、ミステリーズにもおなじみの助っ人、俳優の奥野氏と、六本木の黒服小松氏が初参加。奥野氏は強肩強打で活躍し、小松氏も捕手を務めるとともに、ホームランで景気づけてくれた。
 さらに上京中だった九州在住の時代小説作家矢野隆氏が飛び入り参加。フライポロリとか、チャンスでの三振など見せ場を作ってチームを和ませてくれた。強面の風貌でガタイはいいし、クリーンヒットも放っていたので、同好会への入部を強く希望する次第である。またひさしぶりに東氏がアンパイアを務めてくれたため、より厳格でスピーディな展開になった。暑かったので、ストライクゾーンはとってもワイドであったが、理に叶った判断でした。心より感謝する次第です。
 ここからが本番?
 帰りの便の時間が迫り、残念ながら帰路につく矢野氏を見送り、残る一同は神宮の森ビアガーデンへと歩みを進め、鼻息荒く、生ビールとバーベキューに舌鼓を打ったのである。なぜかソフトボールの試合中より人が増えていたような気がするが、まあいいか。
 次回は九月を予定。そしていよいよ十月は修善寺にて合宿です。夏場をしのいで、楽しい秋を待ちましょう。