ガザ虐殺について(再度のお願い)

柳広司

 昨年10月に始まったイスラエル軍によるパレスチナ・ガザ地区住民の虐殺が、いまだ続いています。
 これは6月10日の安保理決議を無視した、国際法ならびに国際秩序を蹂躙する暴挙です。
 ガザでの死者は確認されただけで4万人を超え、内7割以上が女性や子供だといいます。ガザで行われているのは兵隊たちによる撃ち合いではなく、一方的な虐殺です。
 日本推理作家協会は、先のロシア軍によるウクライナ侵攻の際、日本ペンクラブ、日本文藝家協会とともにロシアに対して共同非難声明を発表しました。現在進行中の「ガザ虐殺」(今後の歴史の教科書にはそう記載されるはずです)についても同様のアクションをお取り頂きますよう、再度お願い申し上げます。
 ミステリは、世界大戦で生じた匿名の大量死に対するアンチテーゼとして発達したと聞いています。いま、ガザの母親たちは匿名の大量死に抗うために、子どもの足の裏に名前を書いています。
 ミステリは、どうかその起源に忠実でありますように。
(本提案は7月23日の理事会で再度却下されました)