将棋

将棋同好会練習会レポート

麻加朋

 七月十九日、現役プロ棋士である先崎学九段の将棋サロン「囲碁将棋スペース棋楽」にて、将棋同好会の練習会が開かれました。参加者は、葉真中顕さん、和泉桂さん、七月隆文さん、矢樹純さん、門脇弘典さん、麻加朋の六名。
 まずは葉真中さんによる初心者向けの四間飛車ミニ講義。序盤の手順を教えていただく。その後、葉真中さんVS矢樹さんと麻加の初心者二人組で練習対局が始まりました。
 四間飛車の序盤の駒組みを教えてもらった直後なのに「中飛車を指したい」と言い出す麻加に、「いいですよ」と心優しい矢樹さん。二人で次の手を相談しながら指すのは、学生時代みたいで楽しい気分でした。(学生のとき、将棋を指したことはないけれど)
 そして今、このレポートを書いていて、「あの場面は四間飛車の復習をするところだろう」とハタと気づきました。今更ながら反省しています。
 葉真中さんは、その場で詰め将棋を作って、「一間龍」という攻めの手筋も教えてくださいました。あんな格好いい攻めで、いつか勝ってみたいものです。
 そしてそれぞれ向かい合い、三組の対局開始。
「難しいなあ」「まずいまずい」「こうやったらこうなって……」「強いな」などなど、ぼやきや独り言?があちこちから聞こえます。いつもプロ棋士の対局を観ていて、長時間よく考えられるなぁ、と感心しますが、次の手を考えているとすぐに時間が過ぎていきます。
 それは苦しいながらも楽しい時間です。
 ああ、もう逃げられない、と諦めて「負けました」そう宣言するのは悔しいけれど、プロの棋士と同じセリフを言っている自分が嬉しいような気がしてしまいます。自らが負けたと宣言することで終了する競技って凄くないですか?
 休憩時間に和泉さんと推しの棋士トークで盛り上がったり、組み合わせを変えて対局が続くうちに、先崎学九段がふらりと登場されました。観る将の私、麻加は心臓がドキドキ。対局中継の解説でのユーモラスなお話しの仕方そのままの、気さくで温かいお人柄の先生です。
 そして終了時間が迫る中、先崎九段に指導対局していただける運びに……
「初心者がいいんじゃないですか? 麻加さんどうですか?」皆さんの優しいお言葉に甘えて「え、いいんですか?」とノコノコと一歩前に出ている自分にびっくり。
 唯一ちょっとだけ覚えた中飛車戦法で初めての指導対局に臨みました。「ここでいい手があるよ」とかヒントてんこ盛りで、それにもかかわらず正解に辿り着くのに時間がかかってしまいましたが、優しく導いてくださいました。最後はこちらが勝つように持っていってくださり、無事に指導対局が終わりました。
 練習会終了後は、近くのビアホールで打ち上げを行い、楽しく有意義な一日となりました。

 将棋同好会では、作家・編集者を対象に常に会員を募集しております。観る将、初心者から有段者まで、それぞれのペースでゆるく楽しめる会です。
 今後も不定期で練習会を開催し、十一 月には日本将棋連盟が主催する大会「職団戦」にも参加する予定です。
 興味のある方は事務局へご一報ください。