会員・今邑彩氏死去
会員の今邑彩(本名・今井恵子)氏が二月上旬に亡くなられた。五十七歳。今邑氏は一九五五年長野市生まれ。都留文科大学卒業。鮎川哲也賞の前身である「鮎川哲也と十三の謎」の最終巻公募に応募した「卍の殺人」が入選。同作品は一九八九年に「十三番目の椅子」として刊行されデビューした。女性作家には珍しい大胆なトリックが仕掛けられた館ミステリーは話題を呼んだ。
ジョン・ディクスン・カーを髣髴させる怪奇趣味と不可能犯罪を融合させた本格ミステリーである「i(アイ)鏡に消えた殺人者」などの警視庁捜査一課・貴島柊志シリーズ、クリスティの有名作品を本歌取りした「そして誰もいなくなる」などがある。
この他にも「鋏の記憶」や「よもつひらさか」などのホラータッチの作品も評価が高い。
香典を呈し協会よりの弔意を表した。