第6回推協囲碁大会優勝の弁
双葉社文庫編集部 萩原邦昭
3月10日、市ヶ谷の日本棋院3階で、第6回推協囲碁大会が開催されました。
朝、会場に着くと、隣室からは、子どもたちの熱気がムンムン。なんと、ジュニア本因坊戦の地区大会が行われていたのです。ひたむきに碁盤に向かうその姿を見ていると、自分もこれぐらいの年に囲碁とふれあっていたら、いまごろは、永世本因坊の名称を授かっていたのでは、などと夢のような事を考えたりしました。
定時になると、隣室の何倍の平均年齢になるのかわかりませんが、8段の竹本健治をはじめ、推協の囲碁大好きの猛者(トーナメント13人、初級の部5人)が続々集合。厳選な組み合わせ抽選の後、熱戦が開始されました。
私の1回戦の相手は若手実力者の宮内悠介2段。私は初段なので、コミなしの黒番。前日じっくり睡眠を取ったせいか、思いもかけず手が読め、望外の中勝ち押し。これは好成績が残せるのでは、と思った2回戦の相手は河出書房の山本濱賜4段。大会前は2石おいていたのが、4段になったとのことで、私が3石置け、薄氷の3目勝ち。
準決勝の相手は、西上心太1級。推協の麻雀大会で完敗しているので、江戸の敵はなんとやらで、猛烈に頑張って5目勝ち。もう一方の準決勝戦は実質上の優勝戦と思われる竹本8段と郷原宏6段が白熱の戦い。結果竹本氏が決勝戦へ。私は内心"これは"と思いました。郷原さんには勝つ自信が全くありませんでしたが、竹本さんには、第1回大会の決勝戦で惨敗をしてから雪辱を誓い、対策を練っていたからです。とにかく"厚く、固く"を胸の内で自分に言い聞かせながら打ちました。終盤でミスから大石を取られましたが、何とか逃げ切ることができました。
表彰式では、勝負には本当に運が大切だということを実感しながら、満面の笑みで優勝の盾を受け取りました。この優勝を、諸般の事情から参加できなかった、碁敵の花家圭太郎さんや猪野正明さんも心から喜んでくれるのではと思います。
なお初級の部では羽住典子さんが見事、優勝しました。