新入会員紹介

推理作家協会、入会の挨拶

綾崎隼

 私は2009年、電撃小説大賞にて賞を頂き、翌年『蒼空時雨』という物語でデビューしました。広告では〈恋愛ミステリー〉と紹介されていることがあり、自分としても一貫してミステリーを書いている意識ではあるのですが、これまでは恋愛小説を書いている人間として認識されることが多かったように思います。
 読書体験では子供のころから最も多く触れてきたジャンルがミステリーですし、物語を書く際も、結末の構想ありきで逆算していく形式で執筆しています。読み手としても、書き手としても、最も敬意を抱いているジャンルが推理小説です。
 好きなものと得手が重なるとは限りませし、今の自分は純然たる推理作家とは言えないとも思うのですが、これから少しずつ、よりミステリー的な作風の作家に変遷していくのではないかと考えています。また、そうなりたいとも願っています。
 今回、推理作家協会へ加入するという願いが叶いました。同業の友人にミステリー作家は少ないのですが、これをきっかけに、このジャンルで活躍される皆様の示唆に富む話を多く耳にする機会が開けたならば嬉しく思います。
 少しだけ自分自身の生活について書くと、作家となる前は進学塾の講師で生計を立てておりました。今も地元の新潟で、友人の塾を時々、手伝っています。
 平日は家にこもって執筆し、週末はサッカーやフットサルに出掛けるというサイクルで生きています。一番大切だった小説を書くという時間が仕事になった今、自分の趣味は音楽とサッカーの二つになりました。残念ながらサッカーの同好会は存在しないようですが、もしも何らかの機会がありましたら、お声掛け頂けますと幸いです。
 この世界に足を踏み入れたばかりの若輩ではありますが、今後ともどうぞよろしくお願い致します。