2018年度懇親ソフトボール伊豆合宿の報告
さる十月二十一日と二十二日、日本推理作家協会による、懇親ソフトボール合宿が、伊豆の修善寺で開催された。
2007年からスタートしたソフトボール合宿も、今年度で十一回め。今回はミステリーズチームが十七名、エディターズチームが十四名と、三十一名の精鋭が集まった。
昨年は、残念なことに、台風のために開催中止となったが、今年は暑くもなく、寒くもない絶好のソフトボール日よりで、二十一日に三試合、二十二日の午前中に一試合と、二日にわたり、あわせて四試合が順調に行われた。
二十一日の昼、十二時ジャストに、修善寺駅からバスに乗って、中伊豆のホテル、ワイナリーヒルに、ほぼ全員が到着。昼食もそこそこに、午後一時にグラウンドに集合。全員のバッティング練習のあと、四時間にわたって、三試合が行われた。
第一試合、ミステリーズが先攻で、投手は、剛腕の木内女史。エディターズの投手は、大エースの山田氏。拮抗した試合になるかと思われたが、なんと、五回で十六対三という、ミステリーズの一方的なコールドゲームとなった。
この試合の勝因は、ミステリーズに、一年ぶりに気仙沼から帰って来た熊谷氏、そして強力助っ人の奥野氏という、二人のホームランバッターの参加にあった。この二人が、目のさめるようなホームランを打ち、逢坂氏と伊東氏をはじめ、柳氏、吉野氏、河野氏、西上氏とミステリーズの強打者、好打者が、きれめなしに打ちまくり、四回で十六点という驚異的なスコアボードとなったのである。
一方、二十代、三十代の、野球経験豊富で、血気さかんな若者を、ずらりとそろえたエディターズの方は、木内投手のスピードボールを打ちくずそうとしたが、ショートの奥野とセンターの熊谷の美技好守にはばまれ、三点どまりとなったのである。
第二試合は、エディターズが先攻。ミステリーズの投手は、エースの吉野。エディターズの投手は、速球を誇る高田氏。両チームともに、容易に点が取れず、七回の時点で、四対四という、第一戦とは打って変わった、ひきしまった内容の接戦となった。このまま引き分けで終わるかと思われたが、七回の裏、ミステリーズは熊谷、逢坂と連打したあと、奥野がセンターにクリーンヒットを放ち、ゲームセット。四対五のさよなら試合となった。
第三試合は、さすがに、これではいけないと、エディターズが怒りの反撃を開始した。
ミステリーズの投手は西上、エディターズの投手は高田氏で始まったが、エディターズの強みである若さが、ここで大爆発。田島氏、飛鳥氏、小林氏、山上氏、奥山氏、山田氏、高田氏、似田貝氏、金森氏、小澤氏と、怒涛の連打により、三回で、大量の十五点。比して、老練ミステリーズは、やや息切れ模様で、四回で八点。
四回の裏、グラウンド撤収の時間が近づいたので、エディターズは攻撃せず、十五対八で、二連敗のあとの一勝を決めたのである。
試合のあとは伊豆の天然温泉にひたり、待望の夕食は、午後六時半、ホテルからバスに乗って、天井から葡萄が垂れ下がる、総ガラス張りのワイナリーレストランで、盛大なバーベキュー大会となった。
食べ放題の牛、豚、羊肉と野菜を、これでもか、これでもかと鉄板でジュージューと焼き、飲み放題の赤白ワイン、ビール、焼酎、ソフトドリンクによる、にぎやかな会食は、とちゅう、初参加の新人紹介や、逢坂氏と有志の相撲披露などをふくめ、二時間にわたった。
夕食後は、自由行動の時間。カラオケ組、麻雀組、宴会組と、三つのグループに分かれて、明日の試合など忘れたかのように、深夜まで、親睦会がくりひろげられた。
明くる二十二日は、七時半に朝食バイキング。
九時には、グラウンドに全員が集合し、守備やバッティングの練習が始まった。体がほぐれてきたところで、九時四十五分から、第四試合が始まった。ミステリーズの投手は、ベテラン河野。エディターズの投手は、エースの山田。
第三戦に勝った勢いで、先攻のエディターズが大勝するかと思われた。しかし、ふたを開けてみると、柳・熊谷・逢坂・奥野・伊東・木内・伊東・河野・小沢・吉野・嵯峨野・西上・庄村・伊多波・橘と、ミステリーズ全員の打棒が冴え、いつもの守備の乱れもあまりなく、結果は、十三対五で、エディターズに圧勝したのである。
なんと、今回の試合結果は、ミステリーズの三勝一敗。このところ、イキのいい若者世代で構成されているエディターズに、さんざんに苦杯をなめさせられてきた老練ミステリーズが、ひさしぶりに溜飲をさげる戦果とあいなったのである。
最後に、ここ数年、伊豆合宿の幹事役となり、今大会も円滑な進行を受け持ってくれた文春の川田氏と本川氏に、深く感謝したい。