ソフトボール大会報告
双葉社 藪長文彦
誰が雨男雨女だったのか、先月は中止だったため、一か月遅れの開幕戦となりました。
明治神宮外苑、日の丸球場には球春の到来を待ちきれずにいた選手たちがつめかけるかと思いきや、両軍とも頭数は必要ギリギリで、文字通りの全員野球。バットを竹刀やゴルフクラブのように振ると評判の私もスタメン入りです。春らしい穏やかな青空の下とはいえ気温はまだ低く、皆で「ケガにはくれぐれも気をつけよう」と言い合って試合開始となりました。
経験豊富なベテランの多い王者ミステリーズに対して、若い力が時折入るものの継続性のないエディターズ。昨シーズンは苦戦を強いられましたが、今シーズンこそはなんとか雪辱を果たしたい、そしてあわよくば原稿も貰いたい、と闘志を前面に出してのプレイボールです。
第1試合、エディターズは1回表に山上選手の2塁打で先制し、幸先よく4点を取ります。引き続き2回表には、先頭の高田選手がレフト前に2塁打を放ち、怒濤の攻勢を予感させますが、後が続かず1点止まり。するとミステリーズは2回裏、吉野選手、小前選手、小沢選手とヒットが続いたあとに、逢坂選手が華々しくも今シーズン第1号ホームラン。ご存じない方に説明しますと、ホームランとはいっても、頭上を越えていった白球をライトの園原選手が追いかける間にダイヤモンドを駆け抜けるランニングホームランですから、剛爺の健脚には驚かされます。まさに王者の風格。その後も打者一巡の猛攻で、ミステリーズが5対10と逆転します。
その後、両軍は小刻みに得点を重ねますが、6回裏にアクシデントが発生。選手不足を懸念し、義侠心から高熱をおしてやってきたエディターズ池田選手が、足を負傷。無念の退場となります。男気溢れるその姿に奮起したエディターズは打線を爆発させます。一挙7点を取って試合をひっくり返し、最終回裏のミステリーズの攻撃を残して20対17とエディターズがリード。
しかし、開幕緒戦を落とすわけにはいかない王者ミステリーズ。八重野選手のヒットを皮切りに、疲れの見えてきたピッチャー山田選手を攻め続け、最後は小沢選手のレフト前ヒットでサヨナラ勝ち。20対21という乱打戦を制しました。20点取って敗れたエディターズに、今年もか……と悲壮感が漂います。
第2試合、7人しかいなくなったエディターズは、「七人の侍」などと強がりを言う余裕もなく、ミステリーズから選手を借りてプレイボール。ミステリーズは1回表に小前、吉野両選手のホームランなどで4点を先制。その後も3回表には柳選手に2ランホームランが飛び出し、4回表終了の時点で12対4というワンサイドゲーム。球場は夕方5時まで借りる約束となっており、試合はこの回まで。今シーズンもエディターズはミステリーズにやられっぱなしなのでしょうか?
そこで高田監督が奮起を促し、4回裏には、大城選手の2塁打、山田、東両選手の3塁打など長打が飛び出します。援軍の橘選手もプレッシャーがかかるなか内野安打を放ち、最後は一巡した大城選手のヒットで12対13にてサヨナラ勝ち。
最後の打席まで勝負のわからない白熱した試合は、今シーズン繰り広げられるだろう幾多の名勝負を予感させ終了。開幕戦は1勝1敗の引き分けとなりました。