訃報

名誉会員・陳舜臣氏死去

 名誉会員の陳舜臣氏が一月二十一日に亡くなられた。九十歳。陳氏は一九二四年(大正十三年)二月十八日神戸生まれ。大阪外国語学校(現大阪外国語大学)インド語学科卒。家業の貿易業に携わりながら、一九六一年に神戸で中華料理店を経営する華僑・陶展文が探偵役を務める「枯草の根」で、第七回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。翌年には陶展文の若き日の事件を描いた「三色の家」、神戸異人館を舞台にした密室事件を描いた「弓の部屋」、故郷である台湾が舞台の「怒りの菩薩」など四作の書下ろし長編を発表するなど旺盛な創作力を見せた。
 ミステリー以外に、「阿片戦争」など中国史を題材にした歴史小説も多数発表している。
 六八年には「青玉獅子香炉」で第六十回直木賞を受賞。七○年には「玉嶺よふたたび」「孔雀の道」で第二十三回日本推理作家協会賞を受賞。七六年に「敦煌の旅」で第三回大佛次郎賞、九一年に「諸葛孔明」で第二十六回吉川英治文学賞などを受賞。また九四年には作家としての業績で日本芸術院賞を受賞している。