会員・横田順彌氏死去
会員の横田順彌氏が一月四日に心不全のため亡くなられた。七十四歳。横田氏は一九四五年佐賀県生まれ。法政大学法学部卒業。編集プロダクション勤務などを経て、一九七〇年に「少年チャンピオン」誌掲載の「宇宙通信X計画」でデビュー。初期のころは「宇宙ゴミ大戦争」など、ハチャハチャSFと呼ばれたユーモアSFで話題を呼んだ。代表作に「菊花大作戦」などがある。
古典SFや明治文化の研究でも有名で、「日本SFこてん古典」などがある。會津信吾との共著で、日本近代SFの祖である押川春浪の破天荒な生涯を描いた評伝「快男児押川春浪」(一九八八年)で第九回日本SF大賞を受賞。「近代日本奇想小説史 明治篇」(二〇一一年)で第三十二回日本SF大賞特別賞と翌年の第六十五回日本推理作家協会賞評論その他の部門を受賞した。
古典SF研究の過程で収集した古本に関するエッセイも多く「古書ワンダーランド1」(二〇〇一年)などがある。
弔電を呈し協会よりの弔意を表した。