ソフトボール

この編集者がすごい! 親睦ソフトボール大会報告

西上心太

 三月の新シーズン開幕からひと月。すっかり暖かくなった四月二十七日(月)午後二時より、第六十七回ソフトボール大会が開催された。青山運動場野球場が謎の陥没により使用不可になった昨年秋以来、雌雄を決する場は再び古巣である神宮外苑軟式野球場に戻ったのである。
 併設されているバッティングセンターにてフルスイングでボールを叩き、気合いを入れて桜グラウンドに来てみれば、なんか人数が少ないんですけど……。キャッチボールやフリーバッティングをして身体をほぐしながらメンバーを待つものの、一向に増えようとしない。これはまたも人数をやりくりして右打ち禁止とかの変則試合になること必定かと思ったその時、文春の川田未穂エディターズ監督が隣の日の丸グラウンドに走って行く。そこでは所在なさげに五人ほどでキャッチボールをしているユニフォーム姿の若者?がいた。しばらく話をしていると、親鴨の後を追う小鴨よろしく、青年たちは川田さんの後をぞろぞろとついてくるではないか。
 誰あろう彼らは日本テレビの野球中継番組を担当する制作会社の社員だという。巨人の試合のない月曜日は休日で、元巨人の定岡正二氏のチームと試合予定だったとか。それが突然キャンセルになってしまったが、野球への念絶ちがたく、グラウンドに来て自主トレをしていたところを目ざとい川田氏に見つけられ、こちらに合流してくれることになったという次第である。これでなんとかメンバーが足りて試合開始。
 不動のエース山田裕樹氏が欠席のため、ピッチャーは徳間書店の野間氏。強肩と守備範囲の広さを誇る名ショートではあるが、山田氏と正反対でコントロールよく打ちごろの球を投げてくれるので、小前亮、吉野仁、逢坂剛(三塁打)、伊東潤、西上心太(三塁打)、助っ人木部氏と怒濤の六連打で六点を先取した。しかしエディターズも負けてはいない。二番の野間氏から助っ人二人、双葉社山上、文春武田以下打者十二人を送る猛攻で七点をあげる。さらにエ軍は三回に五点、四回に二点と着実に加点する一方、ミステリーズは五回にようやく三点を返すのみ。ここで助っ人たちがタイムアップとなったため、五回終了十四対九でエ軍の勝利となった。助っ人たちとは再会を約して分れたのであった。
 ミステリーズは伊多波碧さんと嵯峨野晶さんが中途から来たものの両チーム会わせても人数不足。するとヒマラヤグランドでウォームアップしていた若者たちがこちらにやってくるではないか。
 殴り込みか? いや違う。彼らも試合をするには人数が足りないので対戦しないかという申し出にやってきたのだった。渡りに船とはこのこと。さっそくこちらはミ軍とエ軍の混成チームをつくり、原宿近辺の飲食店チームだという原宿ヤンキーズとの第二試合が始まった。
 吉野投手の立ち上がりを攻めた先攻のヤ軍はいきなり四点を先取。しかしミ&エ軍も二回までに同点に。だが三回、四回と加点され常に後手をひいて追いかける展開に。三点差で迎えた六回表だったがここで決定的な七点を取られてしまう。その裏に五点を返すも反撃はそこまで。タイムアップで六回でゲームセット。最終スコアは十六対十一。正真正銘の若者相手、しかも疲れのたまる二試合目であったが惜敗であったといえよう。
 フットワークの軽い編集者と、複数グラウンドのある神宮だから試合ができた四月のソフトボールであった。めでたしめでたし。