ソフトボール

第六十八回親睦ソフトボール

西上心太

 六月二十三日(火)午後二時、ふた月ぶりにソフトボール大会が神宮外苑軟式野球場ヒマラヤグラウンドにて挙行された。この日は気温湿度ともそれほど高くなく、六月にしては絶好のプレー日和である。ただし大気の具合が不安定で、遅くなるに従い雷雨という予報が出ていた。そのため東審判(いつもありがとうございます)より、さくさくと試合を進めるよう、そして雷の際は審判権限で試合を中止し避難を指示すると告げられ、みな緊張の面持ちの中、ミステリーズの先攻で第一試合が始まった。
 エディターズは編集者生活最後の大仕事である「冒険の森へ」の刊行が始まったばかりの集英社クリエイティブ山田裕樹氏が先発。いつも一球ごとに「無駄な溜め」を駆使する投球フォームでイライラさせられるミステリーズであるが、この日は東審判の言葉もあってか、いつになく早い投球間隔である。それに引っ張られるかのように守備陣も好調で、久しぶりに参加した泉忠司、小沢章友、逢坂剛の三氏がそれぞれゴロやフライで凡退しあっという間にチェンジになってしまった。
 一方エ軍は久しぶりに先発の八重野充弘投手を攻め一点を先取しなお満塁と大量点のチャンスだったが、なんとか踏ん張り追加点を与えなかったのは見事だった。
 二回表はまたも伊東潤氏、西上心太、河野治彦氏と三者凡退。ベンチを温める間もなく守備へ。しかし二回裏は初参加の双葉社岩本真侑さん、山田、毎日新聞出版の柳悠美さんと三者凡退。三回表にようやく先頭の八重野氏がヒットで出塁し、相手失策で二塁へ。続く伊東裕美さんと青木千恵さんの内野ゴロにより八重野氏はホームに。無駄のない攻撃で同点に追いついた。だがその裏、ソフトボールは初参加の中央公論新社菅龍典氏が豪快なホームランを打ちまたもリードされてしまう。
 調子の出てきたわがチーム。四回表は二番からの好打順。シングルヒットとエラーがらみだったが二点を取って逆転。ここからはミステリーズの独擅場。続く五回はエラーで出塁した伊東裕美さんを皮切りに途中参加の柳蒼二郎氏のヒット、泉氏の四球、小沢氏、伊東氏の二塁打、さらにだめ押しの八重野氏の三塁打で大量七点を取り試合の行方を決定づけた。その裏エ軍は三点を返したものの、六回表には柳氏の三塁打、泉、小沢両氏の連打、西上のヒットなどで五点を奪い、その裏を無得点で抑えてみればなんと十点差。十五対五でミステリーズの六回コールド勝ちに終わった。
 五分のインターバルを経て先後を入替え第二試合が始まった。
 エディターズは先発の河野治彦投手を攻め、菅氏、徳間書店の野間氏の連続ヒットの後、五月に行われたキングズとの軟式野球で足の肉離れを起こし、現在回復途上の双葉社山上氏がホームランを放ち三点先取。全力疾走できないハンデもなんのそのというほどよく転がった当たりであった。
 同じようにミステリーズも泉、小沢の両氏が連続ヒットで出塁。力みがあったか逢坂氏は一塁へのポップフライに終わったが、四番に座る伊東氏が先発の徳間書店の高田暁郎氏からセンターへ豪快なスリーランで同点に。さらに二回裏にはツーアウト後に柳氏と、初参加でずっとキャッチャーを務めてくれたフリーデザイナーの延澤武氏の二者連続ホームランで二点リードを奪い、チームの雰囲気は最高潮を迎えた。
 だがその後わが軍は無得点。一方エ軍は三回に連打で一点を奪い二点差で五回へ。ここで東審判から雷雲が近づいているのでこの回を最終回にするという宣言があった。突然の締切前倒しに強いのは編集者の性なのか、エラーで出塁した野間氏を置いて山上氏が二塁打。「男になれ!」とのベンチからの声に奮起した高田氏が逆転二点タイムリーを放つ。以降も双葉社の薮長、講談社の松下両氏のヒットで計三点を挙げ二点のリードで最終回を迎えた。
 その裏ミステリーズは小沢氏、逢坂氏と凡退であっというまに二死に。チームプレーに徹した伊東氏が四球で出塁したものの、今日は(も?)頼りない西上が一塁ポップフライで万事休す。七対五でエディターズの勝利となり、一勝一敗で六月の親睦ソフトボールは幕を閉じた。
 本来反省会は森のビアガーデンで行うはずだったが、雷雨襲来を恐れ、ジョン万次郎に変更に。しかし反省会が終わってもお天気が保っていたのは皮肉であった。