2021年 第67回 江戸川乱歩賞
2021年 第67回 江戸川乱歩賞
受賞作
ほくい43どのこーるどけーす
北緯43度のコールドケース(「センパーファイ―常に忠誠を―」を改題)
受賞者:伏尾美紀(ふせおみき)
受賞の言葉
アメリカのデジタルメディアが、こんな興味深いアンケートを実施した。「あなたにとって最大の後悔とは?」というものだ。多くの答えに共通していたのは、「しなかったこと」だった。何をしたいかは人それぞれだ。私にとっては、この江戸川乱歩賞に応募することだった。チャレンジして、二つわかったことがある。一つは、今ここで書かなければ、もう一生書けなかっただろう、ということ。そしてもう一つは、十年前、いや五年前の私が書いたとしても、今回のような物語にはならなかっただろう、ということだ。シェイクスピアの言葉を借りるなら、まさに「これまではプロローグ」であったのだ。
だが、達成感に酔い痴れたのは一瞬だった。今はプロとしてやっていけるのかどうか、不安の方が大きい。それでも、これだけは言える。きっと私は、「いい人生だったな」と思って死んでいくことだろう。もちろんその日は、ずっと先であることを願っているが。
これまでの人生で出会った全ての人に感謝したい。
2021年 第67回 江戸川乱歩賞
受賞作
ろうこざんむ
老虎残夢
受賞者:桃野雑派(もものざっぱ)
受賞の言葉
小説家になると決めたのは三十六歳の時。
当時はとある出来事から、仕事に対して嫌気どころか憎しみまで抱いており、なにもかもがどうでもよくなっていました。
そんな時に甥が生まれると知り、この子が物心ついた時、父親の兄を恥ずかしい存在だと思わないようになりたいと、強く思いました。
甥っ子の存在が、人生の落伍者同然であった僕を奮い立たせてくれたのです。
投稿を始めてから四年、その間に姪っ子も生まれ、ますます何者にもなれずには死ねないとの思いで、歯を食いしばって来ました。
甥と姪が、僕をまともな人生に、辛うじて踏みとどまらせてくれたのです。
それどころか、江戸川乱歩賞というとんでもない場所に連れてきてくれました。
弟夫婦も含め、どれだけ感謝しているか、筆舌に尽くしがたい想いがあります。
次の目標は甥と姪が「ゼルダの伝説」以上に夢中になってくれる小説を書くことです。
敵はあまりにも強大で、僕自身もその面白さに膨大な時間を奪われていますが、必ず叶えてみせると、この場を借りて約束させていただきます。
最後になりましたが、今回の選考に関わられたすべての関係者様、選考委員の皆様、そして家族に深く感謝いたします。
選考
以下の選評では、候補となった作品の趣向を明かしている場合があります。
ご了承おきの上、ご覧下さい。
選考経過
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本年度江戸川乱歩賞は、一月末の締切りまでに応募総数三八六編が集まり、予選委員(香山二三郎、川出正樹、末國善己、千街晶之、廣澤吉泰、三橋暁、村上貴史の七氏)による選考が去る四月一四日、リモートにより開催され、最終的に下記の候補作五編が選出された。
「キッドナップ・ショウ」日野瑛太郎
「センパーファイ―常に忠誠を―」伏尾美紀
「ドロップトキシン」水谷朔也
「夜が明けたら」箕輪尊文
「老虎残夢」桃ノ雑派
この五編を五月十七日リモートにて選考委員の綾辻行人、新井素子、京極夏彦、月村了衛、貫井徳郎の五氏による協議の結果、伏尾美紀氏の「北緯43度のコールドケース」(「センパーファイ―常に忠誠を―」改題)、桃野雑派氏(応募時筆名・桃ノ雑派)「老虎残夢」の二作に決定した。閉じる
選評
- 綾辻行人[ 会員名簿 ]選考経過を見る
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伏尾美紀『センパーファイ──常に忠誠を──』と桃野雑派『老虎残夢』への授賞が決まった。両作とも問題点は少なくないが、それを補って余りある魅力を持つ。魅力の質も異なる。二作授賞は自然な流れだった。
『老虎残夢』の作者は前回、『インディゴ・ラッシュ』で最終候補に残っている。受賞には届かなかったが、珍しい題材と冒頭の謎の奇抜さが印象的な作品だった。同じ作者が今回は、中国・南宋の時代を舞台とする「武俠小説×本格ミステリー」を書いてきた、というところでまず、大いに意表を衝かれた。
「武俠×本格」には、秋梨惟喬さんの「もろこし」シリーズという優れた作例があるので、「本邦初!」とは謳えないにせよ、この作品におけるある種の「特殊設定」はなかなかインパクトがあり、愉快ですらある。外功、内功、軽功を鍛錬した武術の達人たちが居揃う中で発生する変死事件。現場は密室的な状況にあった湖上の楼閣。文章もキャラクターの立て方も、前作より格段に巧い。武俠小説でありつつも、あくまで論理的に真相を解き明かしていくスタンスにはブレがなく、スリリングな謎解きの演出も◎である。ただ、本格ミステリーとしての穴もいくつか目につくので、刊行までにできるだけの手当てをしてほしい。
『センパーファイ』は北海道・札幌を舞台とした警察小説。特に序盤、書き方がちょっと読者に不親切すぎて首を傾げたくなったが、中盤以降は気にならなくなり、加速度的に物語に引き込まれた。ミステリーの中心となる誘拐事件の構図に新味があり、それを追う警察官たちのドラマもよく書けている。小説としてこなれていないところも多い作品だが、刊行に向けてのブラッシュアップ次第で相当に良くなるものと思う。
他の三作のうち、日野瑛太郎『キッドナップ・ショウ』は惜しい一作だった。完成度という点では○なのである。達者な書きっぷりで、全体のまとまりもいい。このまま商品として流通していてもおかしくない。だが、ミステリーとしての評価となると、どうしても「早々に真相を予想できてしまう」ところがネックになる。それでも楽しく読める作品ではあるのだが、乱歩賞受賞作に推すことは躊躇われた。
水谷朔也『ドロップトキシン』。時は二〇二〇年、コロナ禍が始まった年の秋。所はマダガスカルの、未開部族が住む架空の離島。──という物語に挑戦した心意気は買いたいし、主人公の元厚労省技官が問題の島へ渡るまでの過程にもリアルな面白さがある。ところが、せっかく設定した特異な舞台=社会の掘り下げが浅すぎて、どうも物足りない。あまつさえ、最後に明かされる黒幕の「陰謀」があまりにも非科学的・非現実的なため、物語内のリアリティバランスが崩れてしまっている。これは失敗だろう。
箕輪尊文『夜が明けたら』はある意味、不可解な作品だった。魅力的な謎もなければサスペンスもない。独創的な仕掛けもロジックの妙もない。文章の良さで読ませるわけでもなく、世界観や人物の造形が際立っているわけでもなく……いったい作者は何を書きたかったのだろう、という謎ばかりが残った。閉じる
- 新井素子[ 会員名簿 ]選考経過を見る
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『センパーファイ──常に忠誠を──』。まず、うわあって思った。いいお話だし、メインの誘拐は納得がいくし、面白い。なのに、読後感が「うわあ」。これ、作者が詰め込みすぎているからだ。だから印象がこうなってしまう。
けれど。この作者、根本的に能力がある人だと思う。読み返せば理解できる、そういう書き方をしているんだから。
整理をして欲しい。順番、内容を整理すれば、このお話、ずっと読みやすくなるし、こんだけ詰めこんでも楽しく読めると思う。
あと、ラスト。主人公が犯人を追い込むあたりはいい。でも、そのきっかけ。ここに、もうワン・エピソード、欲しかった。
『老虎残夢』。このお話、とてもさくさく読めた。しかも、全体的に端正。理詰めでミステリ書こうとしているのがよく判る。この姿勢はとても素敵だと思うし、謎のプレゼンテーションの仕方も、これ以上ないってくらい直球勝負だった。
ただ、細部に少し問題がない訳ではない。けれど、それは、直せる瑕疵だ。
と言う訳で、今回は、二作同時受賞ということになった。おめでとうございます。お二方の次回作を、楽しみにしております。
『キッドナップ・ショウ』。実は今回、私はこのお話が一番好きだった。読後感、大変よかったし、ここに描かれているオタクのみなさんが、私、本当に、好きっ!
ただ。このお話の最大の弱点は……美咲が走り出した瞬間、誘拐の動機やラストまで、推測できちゃうってことなんだよね。
けど、このお話の本質は、ファンがいればアイドルはとても強い力を出せる、それがオタクの力だ、オタクの力を信じろっていうもので……これはこれで大好きなんだけど、確かにミステリとしてはちょっと違うかも。
『ドロップトキシン』。途中まではとても楽しかった。そっかー、厚生労働省のひとってほんとに大変なんだな、NPOで井戸を掘ってるって凄いなって思えた。けど……。
ヤンフェイが出てきたあたりでもう駄目。私としては主張したい。ジャングルの中で、テントが住居で、上下水道がないにもかかわらず、致死性細菌を半年も取り扱ったりしないで欲しい。これじゃ、陰謀巡らす前にヤンフェイが死ぬ。あまり細菌をなめないで下さい。
『夜が明けたら』。もの凄く、登場人物の感情が、変。大体が、萌香、和明の消息を知りたいからって、何故自分の母親を脅す? そのくらい萌香が訳判らなくなってるって解釈もできるけど、その後も、全部、変。
というか、このお話。どこかの段階で誰かが誰かを問い詰めていたら、それで終っていると思う。みんながみんな、何故か“問い詰めない”、そんな雰囲気になっているんだけれど、この“雰囲気”それ自体が変だってことに、作者は気がついて欲しい。閉じる
- 京極夏彦[ 会員名簿 ]選考経過を見る
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今回は悩ましい選考となった。
『夜が明けたら』の“前例のない謎を創出しそれをリアリズムに落とし込もう”という努力は評価すべきだと考えるが、残念ながら成功はしていない。年齢、性別、社会的立場の差異があるにも拘らず、登場人物はいずれも行動原理が不明瞭かつ未成熟である。リアルな設定に反してメンタルが幼過ぎるため出来ごとに対する説得力がなくなってしまった。また冒頭の一文で核心となる部分の予想がついてしまう。アンフェアになることを避けようとした結果なのだろうが、構成を見直すべきだったのではないか。更なる精進を望む。
『ドロップトキシン』の冒頭から中盤にかけての展開は心地よく、リアリティもある。マダガスカルの離島という舞台も提示される謎も魅力的である。しかし小説の器に対し、用意された仕掛けはいかにも小振りなものであり、一方で暴かれる真相はあまりにも非現実的で、こちらは器のサイズを越えている。こうしたスケールのミスマッチが作中リアリティを大きく殺ぎ落とす結果を招いている。離島の文化習俗・信仰などをオミットしてしまったこともそれを手伝っているだろう。読ませる力は十二分にあると思われる。惜しい。
『キッドナップ・ショウ』は可読性も高く、非常によく纏まっている。素材となるアイドルグループやそのファンダムも生き生きと描かれているし、現状のIT環境を踏まえた劇場型犯罪という設定も無理なく消化されており、痛快である。瑕疵はほとんどない。選考委員の一人より「このまま出版可能」という意見が出たが、同意できる。ただ、ストレスのない期待通りの展開であることは間違いなく、それは極めて今日的な書き方ではあるのだが、先が読めてしまうという意味でミステリとしての感興を殺ぐものではあるだろう。
『老虎残夢』は南宋を舞台とした武俠小説の体裁を採るが、一方で一種の密室を扱った特殊設定ミステリでもある。漢詩などの引用部分も含め、筆致は闊達かつ周到で外連味もある。そのせいか、幾分ステレオタイプなキャラクター造形や荒唐無稽な設定も気になることはなく、十分に面白く読める。但し、“本格”ミステリとして捉えるならば、精度に欠けると言わざるを得ない。特殊な設定を採る以上、用意した設定に対しより一層の誠実さと緻密さが必要となるだろう。残念ながらその点において、本作は不備が散見している。
『センパーファイ──常に忠誠を──』は謎/解決ともによく練られており、警察組織の在り方や捜査手順なども過不足なく書けている。心理描写、情景描写も濃かで、ディテールに関しては申し分がない。だが、惜しむらくは小説としての体裁が整えられていない。群像劇としての警察小説の体裁で始まるのだが、最終的には主人公を視点人物とする物語として収斂する。構造的にブレがあるため、視点も不用意に揺れることになり、非常に判りにくい。主役が誰なのかが明確になるのも中盤以降である。その点だけは看過しがたい。
全作一長一短がある。議論の結果、難点が修正可能であること、そして不備を上回る魅力を持つと判断された二作が受賞となった。今後の活躍に期待したい。閉じる
- 月村了衛[ 会員名簿 ]選考経過を見る
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『老虎残夢』を推すつもりで選考会に臨みました。本格ミステリとして多くの欠陥があることは他の委員の指摘する通りです。また主人公カップルが同性であることに必然性をまったく見出せませんでした。同性であることは問題ではありませんが、本格ミステリとして応募する以上は、全体を構成する要素の一つ一つにもっと慎重であるべきだと思います。しかし昨年最終選考に残った前作とはまったく異なる題材、筆致を選択した度胸と、格段の進歩を見せてくれた努力とに敬意を表します。その情熱を忘れることなく、今後も真摯に作品と向かい合えば、さらに豊穣な世界を見出してくれるものと信じます。
『センパーファイ──常に忠誠を──』は、候補作中最も興味深い謎を提示していながら、同時に最も読みにくい作品でもありました。それは小説としての拙さに由来するものです。また警察小説としての部分に新鮮味はなく、本筋や時系列をいたずらに分かりにくくしているだけで、全部不要であると思いました。しかしそうした問題は小説技術の向上により解決可能であり、作者の資質に期待したいとする他の委員の意見も尤もであると考えましたので、授賞に同意しました。
『キッドナップ・ショウ』は、逆に最も読みやすく、商業レベルに達していると言ってもいい作品でした。題名から劇場型の誘拐犯罪を扱った作品であることは明らかですが、肝心の真相がここまで〈読める〉ものだと、駆け引きの醍醐味どころか、それまでのサスペンスさえすべて無効化されてしまいます。つまり「ミステリーであること」が皮肉にも作品の良さを損なっているのです。例えば「主人公が走り出す前に真相を見抜いてしまう」ような構成にすれば、あの走りはもっとエモーショナルなものになっていたのではと愚考します。好感の持てる作品であっただけに残念でなりません。
『ドロップトキシン』は舞台となる島の生活風俗についてほとんど触れられておらず、まずそこで小説としての失望を覚えました。パズラーに徹するならば舞台も人物も記号でよしとするのも一つの見識ですが、謎解きの真相も合理性に欠ける部分が多々あり、評価できませんでした。
『夜が明けたら』の作者は一昨年も最終候補に残った方ですが、残念ながらそのときに指摘された欠点が今回もそのまま残っていると感じました。今作は特に主人公の人物像がはっきりせず、行動の理由が理解できない。従って何の話か分からず興味を維持しづらいという、よくないパターンに陥っています。青春小説として読むことも可能ですが、やはり弱い。作者は「語り」についてもっと自覚的であるべきでしょう。
厳しい言葉を書き連ねましたが、それこそが選考委員を拝命した者の務めであり、応募者全員の努力に報いるものであると信じ敢えて記しました。
受賞された御両名を讃えますとともに、応募された皆様の一層の奮起を期待します。閉じる
- 貫井徳郎[ 会員名簿 ]選考経過を見る
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今年はハイレベルな争いでした。しかし、読んでいる途中はすごく面白いのに、最後に至ってがっかりという作品が三本もありました。ネタの良し悪しを見分けられていないという印象です。これだけ小説を書く力があるのだから、書き始める前にネタを吟味しなければなりません。
その一本目、『キッドナップ・ショウ』は非常に達者な作品でした。アイドルオタクの世界は興味深く、文章が安定していました。ですが、誘拐ものとしてはオーソドックスで、真相が見えやすく、しかも一番つまらないところに着地してしまいました。誘拐もので、実は狂言でしたという真相は本当に白けます。しかし、もっといいネタを中心に構築すれば、いいものが書ける力はあります。再挑戦を期待します。
二本目『ドロップトキシン』は、全体の九割まではこれが受賞作でいいのではないかと思って読んでいました。篠田節子さんのミステリー版といった趣で、舞台設定も事件も面白いです。真相が明かされ始めてからも、肯定的な評価は変わりませんでした。ああ、それなのに、このラストはない。なぜこんな荒唐無稽な陰謀論に落とし込んでしまったのか。すべて台なしです。しかも、この陰謀論がなくても物語は成立しているのがもったいない。ネタの良し悪しを見分ける目がないのが致命的でした。だからこそ、いいネタを使えばいずれ受賞できると思います。再挑戦を待っています。
『夜が明けたら』は選考委員全員の評価が低かったです。小説には、書き手の人生観が滲みます。それが幼すぎて、大人の読み物になっていません。
『センパーファイ』は候補作中、一番小説が下手でした。しかし、小説は書いているうちにうまくなる。それよりは、後から鍛えられないセンスやアイディアを評価しました。加えて、小説は下手なのに人物の肉づけはうまいのですね。しかもミステリーとして謎が魅力的で、捜査の過程がきちんと描かれているから、下手でも楽しく読める。真相も面白く、犯人像は強烈でした。この人の将来性は買うべきだと考え、受賞作に推しました。
評価に困ったのが、『老虎残夢』でした。最後にがっかりの三本目は、実はこれです。武俠小説世界での本格ミステリーですから、まず設定が面白い。事件も人物もいい。閉ざされた空間、限られた人物たちなのに、読んでいて退屈しません。これで解決がすごかったら傑作だと思っていたら、最後に肩透かしでした。しかしそれは、伏線不足のせいです。伏線さえ強化すればいい作品になるのは間違いなく、加筆が条件での授賞はよくあること。でも、本格の場合は伏線の張り方も評価ポイントだしな、と迷ってしまいました。選考会では票が集まり、ぼくもダブル授賞に賛成しました。どちらも手直しの上、いい作品になるでしょう。非常に満足のいく選考会でした。閉じる
立会理事
選考委員
予選委員
候補作
- [ 候補 ]第67回 江戸川乱歩賞
- 『キッドナップ・ショウ』 日野瑛太郎
- [ 候補 ]第67回 江戸川乱歩賞
- 『ドロップトキシン』 水谷朔也
- [ 候補 ]第67回 江戸川乱歩賞
- 『夜が明けたら』 箕輪尊文